なぜ一教科だけのコースを設定していないのか
「ウチの子は国語はできるけど算数が…」
「計算は得意だけど、読解力が…」
という声をよく耳にしますし、一教科だけで受講できないか?という問い合わせも時々いただきます。
学研教室が算国をセットにしている理由は『どちらも基礎学力を身につけるために必要な力』だからです。
また、算数が得意で先取りしていったとしても、どこかのタイミングで国語の力不足が原因によるつまずきが出て先に進めなくなることが多いので、どちらもバランスよく力をつけていくことをおすすめしています。
今回は、つい先日あった事例を紹介したいと思います。
文章題が苦手なAくん
Aくんは入会したばかりの2年生の男の子で、学研教室に来る前は他の学習塾に通っていました。
“今まで計算は良くできていたけど、2年生になってから、以前はできていたくり上がりくり下がりの計算を間違えるようになった。学校のテストでは文章題ができていない”というお母さんの不安からの入会でした。
診断テストの結果は国語の力は学年相当、算数はくり下がり、文章題と形の問題で理解不足とでました。
国語の力不足が算数の理解不足につながっていた
実際に学習を進めていると、話したことがうまく理解できていない様子、、、同じことを何度も繰り返し質問にきます。
特に関係性を表す『○と△で□になる』といった助詞、助動詞がうまく整理できない様子でした。
ひき算のくり下がりの考え方の問題
<13-4のけいさん(1)>
① 10 から 4 をひいて 6
② 6 と □ で □
<13-4のけいさん(2)>
① 13 から 3 をひいて 10
② 10 から □ をひいて □
13-4はできる(答えを記憶している)のに□の穴埋めができないという状態(Aくんがこれまでに通っていた塾で学習している子によくみられる傾向です)
数字をつなぐ助詞の理解が弱いことに気づけないと、単純に『数に弱い』と誤った判断になってしまいます。
さて、このまま助詞の理解が弱いまま進んでいくと国語の限界点が現れてきます。
特に説明文で段落や文章ごとのつながりを考えながら論理的に読み解く必要のある問題が出てくると、いままでなんとなくできていた国語が急にわからなくなる。という可能性が高いということです。
算数の問題文はシンプルな構成だからこそ文章の関係性の把握のトレーニングにとても有効なのです。
意外なところでつまずいていた文章題
『ももが 8こ あります。 なしは ももより 3こ おおいそうです。 なしは なんこ ありますか。』
(1)ずに あらわしましょう
もも ○○○○○ ○○○
なし ○○○
oh…(T_T)
(2)しきを かいて こたえましょう。
<しき> 8 – 3 = 5
<こたえ> 5こ
ですよねー(T_T)、でもイメージした絵の通り式にできている素晴らしい!
結果的に、Aくんに必要だったのは「~は、~より○こ おおい」の部分の「~より」という言葉の意味の理解。
算数ができるようになるために国語も必要ということが一番よくわかる事例です。
だから算数・国語は2つで1つなのです
Aくんの場合は、算数よりも言葉の意味理解を深めることがなにより優先されることがわかります。
上の問題が解けないということは「このように考えましょう」と、教科書に書いてある説明が理解できていないということです。
このままでは、これから先の学習にも大きく響いてきます。
教科書に書いてあることを理解する力をつけるには…
プリントの囲みを読んで自力での理解を促す学研の学習方法が、Aくんにとって最適な学習方法といえるでしょう。(読んで理解できていないところを見つけるのが私の仕事になってきます)
逆に「算数はよくできるけど、国語が…」という子の場合でも、そのうち国語力不足が原因で算数の停滞期が訪れます。
小学生の国語と算数は切っても切り離せない教科なのです。
「こどものできない」にどんなつまずきが潜んでいるか?
学研の教材を算数・国語両方取り組むことで明確にすることができ、自力で乗り越えることができます!